おいでなすったー

テーマとか宣言すると一夜坊主で終わることがわかったので、そういうのやめて、書き散らかしていきます

運転免許自主返納させたら事故は減るか(減らねえだろ)

私は30歳過ぎてから運転免許取ったんですけど、教習所に通うのにタクシーに乗ると、運転手がだいたい運転免許試験か安全運転についての談義をしてくれるので面白いのです。

運転手A氏の場合

「私ね、40年間無事故無違反なのが自慢なんですよ!ほらそれ(SDカード)証明書!」
――え、それはすごいですね。お仕事でずっと乗られてるわけだから、一般人だったら何百年か運転しても一度も事故らない頻度に相当すると思います。ほんとにすごい。
「事故を起こさない秘訣はね、法律を守ることですよ。あれは基本的には事故が起きないためにはという主眼で作られているから、あれを守っている限り事故は起こりにくい。巻き込まれることも少なくなります」

運転手B氏の場合

「チッ、右に行くんだか左に行くんだかちゃんとウインカー出せよなぁ、これだから女はよぉ」
「俺は貰い事故はしたことがねえんだ」
――へぇ~事故自体はなくもないんですね~(40キロ道路のカーブを70キロで曲がるGを首に受けながら)

ここで問題

Q1. 将来、運転免許を自主返納しそうなのはA氏、B氏のどっちかな
Q2. 将来、事故を起こしそうなのはどっちかな

真面目な話をすると見せかけてゴシップにシフトしていきます

ソフトウェア開発では、自社しか持っていないもので優位に立って仕事をするという考え方もあるけれども、車輪の再発明を避けるという発想からすると、世の中で使われているものを一緒になって使い、知識は共有する方向になる。そうすると、人は育つと会社にいる必要がなくなる。

という話を研究室の師匠にしたら、

せっかく一生懸命教えても自分の手元から出ていっちゃうと思うと、教えがいがないなと思わない?

という質問を返されたことがありました。人間って、他人への質問の形で自分を確認しようとするよね。

それ、先生がおやりになってることでしょ?

ということ。

有益な人間は成長してオレの手元に居る必要がなくなってどこか好きなところ行っちゃう可能性があるけど、これは仕方のないことで、かれの成長過程の一時期だけここにいてくれて利益をあげさせてもらったでいいと思うんですよね。だって出ていけないから出ていかないやつなんて使っても何も役に立たないし。出ていけるけど出ていかないが続く事業が作れるといいんですけどね。

が、オレの答えであって、要するに「出ていかれるとしても、使えるヤツを使った方が、その過程からより多く利益が出るからそれでいいと思う」ということだけど、そう思って見ると、大学の研究室とかゼミのようなものは、不思議なところですね。

学費や助成金から出てる給料を受けている教職員ではあるけれども、師匠と弟子の関係性においては、ちっとも使えない時期の弟子を一方的に世話して、年限が来るとほぼ確定的に出ていかれてしまう。

それでも土曜の学生の勉強会に付き合ってくれたりであるとか、助手・助教の先生も学生のゼミの資料集作って「こういったことを評価してもらえる仕組み......?ないw」などと言ってたりであるとか、正しくそこを流れていく学生に教育を「与えて」、出ていく先の社会に利益を供給するのが教育機関で、それをマジで実践している人たちはすげえなと思うんですよね。オレには無理だと思ったので大学院やめたんですけど。

そう思ってたんですけど、日大アメフトの事件のやつ見て、教える立場の人間が低劣だと、出ていく先の社会がちやほやしてくれるし途中でここを辞めたら行くあてもないという外部資源を活用して、いま居る学生を搾取して自分がやりたいことをやる、タックルさせるとか、という構図にもなりうるんだということにびっくりしました。

これ社内がブラックなことになってる会社の経営者が「いまの環境がハードでも、会社がなくなっても世間に通用するような能力がつく方がよい。温いことをやっていて通用しなくなる方が本当のブラック」みたいな言い訳に逃げるのも同じ構図ですよね。社員が辞めたあとという自分が責任を持たない場所において自分のやり方の方が成功するという根拠のない仮定を置いている点で、実際にいい就職先をあっせんしてくれると噂のブラック体育会系運動部よりもっと悪いんですけど。

やっぱり、大学の研究室とかゼミとかと企業には、所属する人との関係性において同じ構図があるんですね。どちらも人間の集まりで指導者がいるんで当たり前なんだけど、企業の側が一定のペースで人の加入と卒業があると、なおさらに研究室のノリに近づくんだなということを思いました。

例えば、IT企業とか、ブラック企業とかです!「大学のだめな体育会とか研究室みたいな性質をもったブラック企業であるIT企業」みたいなのが、諸々の相性がよくて出現しやすい、落ちやすいダークサイドなんだなということですね。気を付けたいものです。

弊社のおちんぎん体系の設計のはなし

働き方改革ばなしでちょっとやり取りしたので、もののついでに今の自社(自分)の考え方をメモっておきます。

結論からいうと、弊社は従業員給与については、もっとも普通な月給制(日給月給制)をとっています。いわゆる固定残業代はナシで、フレックスタイム制裁量労働制でもありません。

定時について

所定労働時間のこと

ある程度自由な時間帯に勤務できるようにした

毎日の所定労働時間の勤務を要求するが、開始時刻を変動させてよいことにしています。6:00 ~ 12:00 にスタートし、15:00 ~ 21:00 がエンドになるのが基本です。

「毎日決まった時間に合わせて動くのは非効率的」と考えています。時間を合わせるために皆が調整するコストを払うのは無駄で、複数人が連携するなら随時連絡し合ってお互いの都合のいいタイミングを調整すればいい、と思います。と、いうか、自分自身がそういう定時の予定にペースを乱されるのがとても苦手だ、というのが大きいのですが。

フレックスタイム制裁量労働制は採らない

勤務時間を自由にする目的では、裁量労働制フレックスタイム制が選択肢として挙がりますが、いずれも回避しました。

裁量労働制を採らない理由は2つ。

  • 実質的にそんなに裁量のある仕事を任せるつもりではない
  • 長時間労働となった場合は残業代を出したいという立場だから

フレックスタイム制を採らない理由も2つ。

  • システム開発業の性質から言って、リリースや障害対応で会社から時刻を指定して勤務させることがありえる点が、フレックスタイム制の適用条件からいって不適切に思える
  • フレックスタイム制では、病気や意欲がわかないなどで勤務時間不足となると、労働者が自力でリカバーしなければならなくなる。労働時間に裁量余地を持たせたい動機は、ストレスの少ない環境にしたいからなので、一定以上職業能力(自己管理能力)の高い従業員だけを想定するのでなければこの制度は危険であると考えた
終わりの時間

エンドの1時間前以降は、当日業務が完了していれば8時間勤務したと見なして帰ってもよいことにしています。10:00出勤の場合は、定時は19:00までですが、順調なら18:00には帰っていいことになります。

取引先が採用していたルールで、よいと思ったのでパクりました。仕事って決まった時間にぴったり終わるもんじゃねえだろという考えが基礎にあります。19:00を狙って仕事をすれば、少し早く終わったり、少し延びて終わったりするはずです。19:00までは職場にいなければならないとすると、19:30とかを狙って仕事をしないと成り立たなくなり、残業が前提になります。それでは非合理的だと考えています。

この条件設定だと自然に残業が発生する日もあるはずなので、「通常のペースで仕事があれば月に数時間残業が発生する」という前提でコストと給与設定をきめています。

深夜帯はナシ

定時の時間帯を変えてよいということにはしていますが、深夜早朝帯(22:00-04:00)にかかるのは基本なしとしています。主な理由は割増賃金を払いたくないからですが、コアタイムに相当する時間帯をつくることや、夜勤は健康影響が懸念されるので避けるべきという考えもあります。

問題点

ふつうの労働契約でもべつに定時の時刻は変動していいんだって誰かが書いてたと思うんですけど、ここが本当にOKなのかしかるべき確認はしてません。対従業員本人で特に問題になってないので後回しになってる...

時間外労働について

残業代のこと

残業代への考え方は、会社と従業員の関係性によってもだいぶ違ってくるものだと思います。給料払う側の視点では、生活残業が蔓延しているような職場だと、いかに残業代を払わないかがテーマになって行かざるを得ません。

弊社はいまのところ信用のおけるごく少数の従業員しかいないテイで行くという前提が置けるので、そういう制約にはとらわれずに方針を決めています。

固定残業代はやめました

IT業界では、「月給○万円、ただし×時間分の残業代を含む」という給与設定がわりと多いです。実際の残業時間が×時間に満たなくても、×時間分は払いますという条件にすると、形式的には労働者側に有利なカスタマイズなので合法になります。

定時が月当たり 8時間 × 20日 = 160時間、固定残業代が40時間分であれば、この月給○万円は、1時間当たりの給料の 160 + 40 × 1.25 = 210 倍の額です。これが最低賃金に引っかからない限りにおいては、実質的に一定時間まで残業代を払わないことと、残業代が発生するに至ってもその単価を低くすることができます。

なお、IT業界ではこれが蔓延しているのであまり疑問に思われていませんが、宅地建物取引士と労働問題専門の弁護士から「それは本当に合法なやつなのか?」と聞かれて、納得されるまでにけっこう時間がかかった経験をして、わたし、気が付きました。固定残業代は、普通の人の目線では「なんかヤベー会社なんじゃねーか」という印象を持たれかねないようなテクニックです。

固定残業代は、良くも悪くも利用し得る道具であると言えます。

  • 見せかけの月給・日給を高く見せる効果があります。求人情報において新卒の月給の最低水準が23~24万円であるとき、形式的にこの数字に追従するための手段として固定残業代を用いるところが多いです。
  • 能力的に高い時給は払えない従業員に対して、一定の月給を保障する方法として機能させることができるという言い方もできます。*1
  • 普段は固定残業の時間数に達しない業務量で回っているのであれば、案件が燃えても残業代が増えない効果が期待できます。普段から固定残業の時間数を超えるほどの業務量があるのであれば、単に残業代の単価を下げる効果があります。
  • 仕事を能率的に終わらせた方が得をする環境を実現する道具になりえます。200時間かけても160時間で終えても給料が変わらないので160時間で終わるように頑張るモチベーションが生まれるという運用があり得ます*2

で、弊社では、固定残業代は採用しないことにしました。

  • 単純に、外聞が悪そうなので。IT業界で固定残業代を用いる会社の従業員でも、その仕掛けを理解しておらず「うちは残業代は出ない」という表現をする人もいます。そのように言われる危険があるのは損だと思います。
  • 固定残業代を用いると、他人を手伝ったり、余分に働くことが非合理的になるという欠陥があります。今日だけ余分に案件をこなしたいので手伝ってくれないか、というときに、従業員側がそれに応じても得をしないのは破綻しています。それでも回せている会社はなんかいろいろな人間力的なサムシングが働いているのかと思うのですが、そういうのに漬かって暮らすことは、システム開発の技術者としての思考能力にとってプラスに働かないのではないかと思います。
  • 決まった仕事を短時間で終わらせた方が得なので能率が上がる、という状況が成り立つには、職務記述がきちんと決まっていて、自分の仕事がきちんと区切られている必要があります。早く終わらせると手が空いてるならこれやってと新しい仕事を突っ込まれたらおかしいです。弊社は、零細企業なので、従業員に技術的に高等な経験を積ませてあげる能力が乏しい代償に、小さい会社を回す作業すべてをつぶさに見られることを活かしてほしい、と要求しています。*3手が空いたらいろんなことを見てくれと言っているので、能率よく早く終わらせたら帰るシステムには合致しないことになります。
 残業に関する各種の設定

残業についてのルールでは、残業時間全体の総量を管理しないといけないのだから、従業員本人が勝手に消費してよい残業時間の上限、管理者が指示できる残業時間の上限が決まっている必要があると考えました。それぞれを10時間・10時間と想定しています。

  • 36協定は特別条項なしで提出しました。単月で45時間、年平均で30時間を越える残業が発生すると、わたし、捕まります。今のところ、事業上の納期辻褄合わせや障害対応等にまつわるリスクを負うのは役員(わたし)という切り分けなので、これを踏み越えてはならないラインとしておくのでいいんじゃね、と考えました。従業員の仕事が遅れた場合は本人の作業量の方を変更します。
  • 契約書上、月に20時間を超える残業は、従業員が嫌だと言ったら頼めないことにしました。いっぽう、従業員が仕事のキリが悪いなどで自己判断で残業するのは月に10時間までに抑える努力をするとしました。*4これは、管理者側として稼働能力不足時に当てにしてよいバッファは月に10時間ということを意味しています。

現在は、社員に期待している役割(燃えを何とかするリスクを引き受けることは求めていない)の関係で、残業に関するパラメータを抑えめにしていますが、考え方としては、ガンガン作業量をこなしてもらうメンバーを受け入れるとしても同じ構成にする必要があると思っています。

つまり、緊急時に対処してもらうために時間外労働の枠を定義しておくのであれば、普段は予備枠が勝手に消費されないようにロックされている必要があるということです。残業過多な会社の労働時間は、ここがあやふやなので、緊急時に当然のように残業時間が約束のラインを突破します。

休暇について

営業日構成はなんとなく取引先をまねています。年間休日125日。

有給休暇

有給休暇の付与日数は、労働法の最低基準でも勤続6年半以上だと20日/年間つきますが、これは1ヶ月丸々相当であって、ここを上回ることはなかなかきびしいなーと思います。

ただ、最低基準だと勤続ごとに日数が増える年功序列がビルトインされていること、特に「新入りは半年は休むな」みたいになってるのがスゲえキモいのでいやだなと思っていて、入社直後には法定外の有給休暇を1年分の半分の日数つけるのと、勤続浅い間の日数に全般的に上乗せをして、従業員の前職時の有休日数を下回らないところからスタートして、20日/年間に向かっていくようにするという調整をしました。

ほんとは漢は黙って全員20日/年間にするべきだと思ったんですけど、根性が足りなくてへたれました。

病気休暇

仮病とか、逆に病気を隠すとかいった信頼関係の破綻が起こらない限りにおいて、病気での欠勤は有給にするということにしました。*5

かかるかどうかわからない病気に備えて有給休暇を残しておくことは合理的でないし、残弾数を心配しながら病気をする環境はストレスがありそうで有益でないと考えました。

ただ、これが疑ったり疑われたりがなく運用できる状況は限られるのかなという気がしていて、今後新たな従業員が増えた場合にはこの仕組みは維持できるかわからない、という話はしています。

そういう意味では、零細・少人数の企業なので、こういうことができるメリットを活かそうという意図もあり。

*1:首都圏で独り暮らしをするには、月に23万円程度の収入が必要だという調査結果があります。労働団体系の立場なので組合費が計算されていたりするのがご愛敬ではありますが、特殊な趣味の一つくらいは許されるべきと解釈するなら妥当な「最低水準」でしょう

*2:建前上は、どの企業もこれを狙っていると説明するでしょう。でも、このことを本気で考えているなら、フレックスタイム制にして、当月業務が完了している場合は勤務時間が200時間未満であっても200時間働いたものとみなします、とかにしたほうが適切なのではないでしょうか

*3:帳簿も代表の給料も見せますし、営業上で何を考えて動いてどうなったか聞かれれば応えます

*4:実際には4~5時間以内に収まる傾向です

*5:長期療養の場合は社会保険の手当てを使う前提での留保などはつけています

弊社も喫煙者は採用しないと思う

吸えるようにするのが大変そうだし。

取引先で5年くらい前から喫煙者採用してませんの会社知ってるし、あ、それ今さら揉めるやつなんだ?くらいに思いました。

いま誰も吸わないチームからすると、タバコを吸えるようにすることのハードルが高い。弊社は路上喫煙禁止区域にあるんだけど、裏の道が私道なので条例の上では道端で吸っても処罰はされない。ただ街灯にタバコのポイ捨てを非難する貼り紙がされていたりして、喫煙者と近隣住民の軋轢を感じさせる。うちの外階段やバルコニーもあるけど、近隣からクレームが来る可能性があるし、大家に正式に「吸っていいスか?」と尋ねれば、正式に「ダメです」となると思うんだよね。近所とざわざわする危険を冒してまでタバコ吸える環境を整えて差し上げたいかと思うと、ちょっとなあって思っちゃうんすよね悪いけど。

タバコ吸うんだけど優秀だから来てほしい、となっても、バルコニーでこっそり吸ってください、よそから注意されたらバルコニーは放棄して徒歩5分のタバコ屋さんの私設喫煙所に行ってもらいます、という話にせざるを得ないと思う。タバコ吸ってるときに避難梯子が落ちてきて脳天を直撃しても労災は降りるのかとか、おじさんそういうのも心配です。

仕事への影響という観点では、喫煙者だけ休憩して不公平だとはあんまり思いません。知的労働で集中力を保つために一定の休憩は必要で、むしろ、ずっと座って手を動かせみたいな精神論を持ち込まれる方が有害だと思います(自分で手を動かしもできる技術者でそういうことをいう人は知る限りいませんが)。
ただ、喫煙所だけの仲良しグループを作って大事なことをそこで決めるみたいになっちゃうとマズいかなって気はします。易きに流れがちって視点では、残業が多い人と喫煙者は、そこに居ない人の悪口で盛り上がりがちです。そういう前提が意識から抜けて、業務においてメンバーの評価を歪めてしまったり、特定の人にだけ情報が行ってないみたいなことをしてしまうようだとイカンと思います。

ごく個人的には、社員が喫煙者だったら「休憩するのは別にいいけどタバコ辞めてピロピロにしない?」って月に3回くらい言い続けると思う。

飲酒・喫煙って方向性としては手首切ってるのと同じじゃないですか。

手首切ってるより傷がごく浅いのと、手首切ってるのと違って通常は本人楽しそうなので、手首切ってたら止めるけど飲酒・喫煙は止めないです。他人なら。

他人じゃなくて身内となると、喫煙はなるべく止めてほしいかな。飲酒も身体壊す兆候があるようならやめてほしいかなっていう、そういうバランスだと思うんですよね。そういう意味で、事業主が従業員にタバコ吸わないでほしいと思うことには、わたくし個人としては、あんまり違和感がないのです。

生徒会に憲法はあるか

武蔵高校中学校の記念祭にお呼ばれして行ってきた。過去の小委員長を呼んで座談会をやる、ということで、引っ張られてきたOBが3人。現役生が93期でわたくしが73期、先輩が57期と53期。

40年くらい前と20年前と現在を比べる形になって、だいたいコンプライアンスが高まっていった過程がうかがい知れた。現在の体育祭に棒倒しはなく、夏休みは案外きちんとした宿題が出るらしい。

40年前には、修学旅行があった。

(53期先輩)「ごく普通に、京都・奈良へ行って、これなんか意味あんのかなあと思ってたけど、2年後になくなったから、まあそうだろうなと思った」

(現役氏)「資料を当たって調べたのですが、不祥事があったそうですね」
(57期先輩)「酒とかでしょう。当時はそういうのはいかようにもやりようはあったのだが、たぶんアカン酔い方をしたやつがいたんだ」

(73期オレ)「え、僕その『意義がどーたら』って話しか聞かされてなくて、そういうもんなんだーくらいに思ってましたけどww」

武蔵高校では、ただ漫然と集団で観光地を見て回るという修学旅行では、本来の意義が見失われているという状況を鑑み、これを廃止することとした。どのように見失ったのか、その具体的な態様は、明らかにされていない。

現役生の間で、修学旅行を復活させようという運動が行われているのだそうだ。曰く、修学旅行が無くなった経緯の調査から始め、様々な検討を重ねたうえで、生徒総会を開催したのだという。

(社会に出て視点が歪んだ73期)「え、校友会規約に『生徒総会』というのが定義されているのですか?」
(現役氏)「あります」

あるのかよ!そんなこと、気にしたことがなかった。

5~6人くらいの小グループに分かれて自分たちで企画を立てて、長期休み中に実施することを考えているという。希望者だけの自由参加とするか、全員参加とするかで、意見が分かれているとのことで、それはまあそうだろう。友達いないやつはどうするのか問題とか、いろいろ考えられる。

議論を主導している層としては、機会を与えられることで思わぬ収穫が得られることがあるかもしれないから、こういうのは全員参加にするのがいいと思っているんだ、という考えなんだそうだ。若い。

「お話を聞いていると、仮に全員参加とするのであれば、『反対する人間もいるけど、俺たちの意志としてこうと決めたので、皆でそれをやる』という意思決定を校友会としてしたい、ということなんだけど、それって“決めるためのルール”がなければいけないと思うんだけど、そういうのあるんだっけ」

ないと思うのだ。委員長などを決める選挙のルールだけは(おそらくそれが表面的には実際的問題を伴って意識されるので)細かく定められていて、全会一致でなくてもリーダーを決めることはするものの、そいつにどれだけの権限があって、皆がどの程度従うかは、「例年こうしている」という常識と、リーダーの生徒個人の器に依存していた。

毎年、予算編成期になると、各部が予算を取りあう「予算折衝」が行われていたのだが、「この塩化ナトリウムというのは、食塩じゃダメなんですか?何がどう違うんですか?」みたいな叩き合いをやっていた。意思決定の手法は、ボコボコに論破されて戦意が砕かれた部が予算要求を引き下げる調整を全体の超過額がなくなるまでやる、であった。

こないだ同級生と飲んだとき「どうして俺たちはあんな『プチ政治』みたいなことをしていたのか?」と話し合ったが、酔ったのでよく分からなくなった。

生徒全体が非定型な話題に対して意思決定をして全員がそれに従う、という手続きがあるならば、それは生徒会の憲法的なもの*1に書かれているはずである。しかし、中学校や高校は、生徒が生徒に対して強制力を行使するということを基本的には認めていないはずだから、主権者が国に対してどんな権利を与えるかを記述した憲法のようなものを、生徒会において作るのは、色々な問題が見えてきてしまって、難しいはずなのだ。

修学旅行の件では、生徒総会を開いて本当はそこで「決議」を行う予定だったが、実際には、修学旅行委員会を設置して、継続的な議論やプレ修学旅行の試行などを行っていくことにしたのだそうだ。詳細は聞いてないけど、きっとめっちゃモメたんだと思う。

いずれにしろ、最終段において、自分たち全員が従う学校行事を自分たちの意志で新設するという決定を行うならば、学校当局との調整も含めてとても高等な仕事が要求されることになるだろうと思う。手続きも権限もないことについて調整して確たる成果を得るというのは、とても大変なことだ。

この話で驚くべきは、自分がこの問題に取り組んでも自分の代で修学旅行に行ける見込みはないということが分かっていて取り組んだ生徒が数代にわたって居るということである。最近の若い人は、こういうところがすごいよね。

っていう話を、取り壊しになる校舎のOB向け展示の部屋で話していたら、88期?の後輩氏に「校友会規約に生徒総会の定義というのはないはずです。僕が改編をしましたから。恐らく、特別委員会に関する規定を援用して、生徒全員を構成員とする特別委員会を開催するという建付けにしたのではないでしょうか。」と言われ、お、おおう。となった。

*1:武蔵で言うと校友会規約

20年時間差指導の話

高校の同窓会幹事のIを通じて、現役の記念祭小委員長(いわゆる文化祭の実行委員長)が、OBの記念祭小委員長経験者と対談をする企画をやりたいと言っている、協力してくれないかという話があった。

酔っぱらっていたわたくしは、facebookメッセージの操作を誤ってサムズダウンのボタンを押し、慌てて取り消して言い訳をしたときには、快く「わかった!」というテイで行かざるを得ないカンジに追い込まれていたのだ。

それで現役高校生くんと連絡を取ったが、OBは3人しか出てきてないという。なるほど、90と数代の各期の幹事に呼び掛けても3人位しか動いて伝えてくれないような話があったときに、その空気読んでない3人の中にIは居る。迂闊だった。

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郵便局がすごい

あなたは知っているだろうか。郵便ポストの収集時刻が第4便まであるポストでは、最終便は速達郵便を特別に処理するためのものであって、消印と普通郵便の受付処理は翌日になるということを。

ある年の確定申告書類を目論見よりも30時間くらいオーバーして仕上げたわたくしは、最寄り駅前のポストの最終収集時刻を過ぎていないことを確かめて、そこに確定申告書を封入した封筒を投函したのであるが(税務署への提出物は信書で送付することができ、このとき消印の日付が提出日と見なされるというルールがある)、お客先に「今日もちゃんと来ましたよ!17時だけど!」*1と言うためだけに乗り込んだ電車の中でGoogle先生と雑談しているときに、頭書の情報を知り、船橋郵便局に電話をかけてそれが事実であることを知ったのである。

*1:いちおう、面倒を見ているチームのメンバが困っていることがあれば解決するのがその案件においてわたくしどもが提供する主要なサービスのひとつだったから、無意味な出席アピールではないのだ!

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